海外赴任の可能性があるご家庭では、お子さんの学校選びに迷うことがあると思います。
「中学校に入ったあと、また海外へ行くことになったら?」
「帰国したとき、同じ学校に戻れるの?」
「高校受験の時期と海外赴任が重なったらどうしよう」
私は私立中高一貫校で帰国生や海外と日本を行き来する生徒たちにも接してきました。
その中に、中学生から高校生にかけて、海外へ行き、日本へ戻り、再び海外へ行き、また日本へ戻ってきた生徒がいました。
「行って、帰って、また行って、また帰る」という学校生活です。
それでも、学校とのつながりが途切れず、高校受験を挟まずに学び続けることができました。
もちろん、すべての中高一貫校で同じ対応ができるわけではありません。
この記事では、私が実際に担当した生徒とご家庭を見て感じたことから、海外赴任のある家庭が学校を選ぶときに確認しておきたいことをお伝えします。
1. 海外へ行っても「戻れる学校」があるという安心
私が担当した生徒は、中学生から高校生にかけて、家庭の海外赴任に伴い、日本と海外を何度も行き来していました。
海外へ行き、日本へ戻り、再び海外へ行き、また戻ってくる。
それでも、帰国したときに「自分が戻る学校」がありました。
これは、本人にとっても、ご家庭にとっても、大きな安心だったのではないかと思います。
長期休みに一時帰国したときには、学校に通っていました。
海外に暮らしていても、学校とのつながりが完全に切れてしまうわけではない。
帰国すれば、知っている先生や友達のいる学校に戻ることができる。
海外赴任を繰り返すご家庭にとって、こうした「戻る場所があること」は、学校選びの一つの大切な視点だと思います。
ただし、海外在住中の籍の扱いや、一時帰国中に学校へ通えるかどうかは、学校によって異なります。
学校説明会では、「海外へ転出した場合、どのような扱いになりますか」「帰国したときに戻ることはできますか」と具体的に聞いてみてください。
2. 高校受験の時期と海外赴任が重ならなかった
この生徒が海外と日本を行き来したのは、中学校から高校にかけての時期でした。
もし別の学校の高校へ進学するのであれば、ちょうど高校受験を考える時期です。
しかし、この生徒の場合は中高一貫校に在籍していたため、高校進学のために外部の高校受験をする必要がありませんでした。
海外への転出や帰国だけでも、子どもの生活は大きく変わります。
その時期に、さらに高校受験まで重ならずに済んだことは、このご家庭にとって大きかったのではないかと思います。
その後、この生徒は大学へ進学し、自分の希望する進路へ進んでいきました。
もちろん、中高一貫校に入れば、誰でも必ずそのまま高校へ進めるということではありません。
内部進学の条件や、海外在住中の成績・出席の扱いなどは学校ごとに異なります。
「中高一貫校だから大丈夫」と考えるのではなく、海外赴任をした場合の扱いまで確認しておくことが大切です。
3. 帰国後も英語力を生かせる学校だった
この生徒について、もう一つ印象に残っているのが英語です。
この生徒は、海外での生活を通して英語力を伸ばしていました。
そして、帰国後にその英語力を大きく落とすことなく、さらに学び続けることができました。
これは、中高一貫校だったからというより、在籍していた学校が英語教育に力を入れていたことが大きかったと思います。
海外経験のあるお子さんの場合、学校選びでは、
「帰国後、その英語力をどう生かせるか」
という視点も持っておくとよいと思います。
帰国生だからといって、すべての子どもが英語を得意としているわけではありません。
一方で、海外で身につけた英語力がある場合には、その力を維持し、さらに伸ばせる環境かどうかも確認したいところです。
📘 帰国子女でも英語が得意とは限らない|非英語圏から帰国する子の英語準備
4. 兄弟姉妹が同じ学校にいたことも、ご家庭の助けになった
このご家庭では、兄弟姉妹が二人とも同じ学校に在籍していました。
海外赴任が続く家庭では、子ども一人ひとりの学校との連絡、面談、進路相談なども大きな負担になります。
兄弟姉妹が同じ学校に在籍していたことで、保護者面談なども調整しやすく、ご両親にとっても助けになっていたように感じました。
これは、中高一貫校そのもののメリットというより、兄弟姉妹で長く同じ学校と付き合えたことのよさです。
学校選びというと、どうしても偏差値や進学実績に目が向きます。
でも、海外赴任の可能性があるご家庭では、
「この学校と、家族として長く付き合っていけるか」
という視点もあってよいと思います。
5. 帰国したとき、すぐにすべてできなくてもいい
海外で学んできた子どもさんは、日本の学校に戻ったときに、すべての教科が同じようにできるとは限りません。
私が担当した帰国生の中にも、日本の社会や地理を十分に学ぶ機会がなかった生徒がいました。
でも、最初に学習の抜けがあっても、そのままになるとは限りません。
時間をかけて学校生活に慣れ、必要なところを少しずつ学んでいくことができます。
中高一貫校のように、同じ学校で長く過ごせる環境では、中学入学時点だけではなく、その先の成長まで見てもらえることが助けになる場合もあると思います。
帰国生の社会・地理の学習について、実際に担当した生徒の例はこちらの記事で紹介しています。
📘 補習校に通っていたら大丈夫?帰国前に確認したい社会・地理の「学習の抜け」
6. 学校説明会で確認しておきたいこと
海外赴任の可能性があるご家庭は、学校説明会で、進学実績や授業内容だけでなく、ぜひ海外転出や帰国についても聞いてみてください。
| 確認すること | 質問の例 |
|---|---|
| 海外へ転出するとき | 海外赴任になった場合、在籍はどのような扱いになりますか? |
| 帰国するとき | 帰国後、元の学年・学校へ戻ることはできますか? |
| 一時帰国 | 長期休みなどの一時帰国中に、学校へ通うことはできますか? |
| 高校への内部進学 | 内部進学の条件はありますか?海外在住中の成績や出席はどう扱われますか? |
| 帰国後の学習 | 未習の内容や学習の遅れがある場合、どのような対応がありますか? |
| 英語 | 海外で身につけた英語力を生かせる授業やクラスはありますか? |
| 兄弟姉妹が在籍する場合 | 面談や学校との連絡について、兄弟姉妹で調整できることはありますか? |
海外赴任がまだ決まっていなくても、聞いて構わないと思います。
大切なのは、今の入学だけを見るのではなく、「もし数年後に海外へ行くことになったら、この学校ではどうなるのか」まで知っておくことです。
7. 学校を見るときは、6年後まで少し想像してみる
学校説明会では、施設や制服、大学合格実績など、たくさんの情報を見ることになります。
それももちろん大切です。
でも、海外赴任の可能性があるご家庭には、もう一つ見てほしいことがあります。
「この学校に入ったあと、海外へ行くことになっても、子どもが戻ってこられる場所になるだろうか」
そして、帰国したとき、
友達や先生から「おかえり」と迎えてもらえる学校かどうか。
制度だけでは分からない部分もあります。
説明会で先生のお話を聞いたり、実際の学校の雰囲気を見たりしながら、お子さんがそこで中学・高校の6年間を過ごす姿を少し想像してみてください。
帰国後、日本の中学校での勉強について心配な方は、こちらの記事も参考にしてください。
📘 帰国後、日本の中学の勉強についていける?|帰国前に確認しておきたいこと
まとめ|海外赴任がある家庭だからこそ「戻る場所」まで考えて学校を選ぶ
海外赴任のあるご家庭にとって、中高一貫校は一つの選択肢です。
私が担当したご家庭では、同じ学校に戻れること、高校受験を挟まずに学び続けられたことが、大きな助けになっていました。
さらに、英語教育に力を入れている学校だったことや、兄弟姉妹が同じ学校に在籍していたことも、ご家庭に合っていたのだと思います。
もちろん、どの中高一貫校でも同じではありません。
だからこそ、学校説明会では、
「海外へ行ったらどうなる?」
「帰国したら戻れる?」
「高校への進学はどうなる?」
と、具体的に聞いてみてください。
海外へ行く可能性があるからこそ、帰ってくる場所まで考えて学校を選ぶ。
そんな学校選びがあってもよいのではないかと思います。
本記事は、筆者の実体験と撮影写真をもとに執筆しています。読みやすさ向上のため、一部AIを補助的に活用しています。
