海外から日本へ帰国することが決まると、進学する学校や帰国生入試、日本の勉強についていけるかなど、気になることがたくさんあります。
その中で、地理を長く教えてきた私が、帰国前に少し準備しておいてほしいと思うものがあります。
日本地理の基礎です。
難しい勉強を先取りする必要はありません。まずは、日本地図に親しむところからで十分です。
帰国前の勉強全般については、こちらの記事で紹介しています。
1. 海外では、日本地理を学ぶ機会が限られる
海外の学校では、日本の地理を体系的に学ぶ機会は限られます。
47都道府県や県庁所在地、日本の山地や平野、気候、農業や工業など、日本の学校で学ぶ内容に触れる機会が少ない子もいます。
ですから、日本地理を知らなくても、勉強してこなかったわけではありません。単に、学ぶ機会がなかったのです。
一方、日本の学校では、小学校までに学んだ日本地理を土台にして授業が進むことがあります。
私はこれまで、海外ではよく勉強していたのに、日本へ帰って社会科で思うように点が取れず、自信をなくしてしまう子も見てきました。
知らなかったことができなかっただけなのに、「自分は勉強ができなくなった」と感じてしまう。それは、とてももったいないと思います。
2. 帰国前は、まず地図帳を開くところから
帰国前に、難しい地理の勉強を始める必要はありません。
まずは地図帳を開いて、今まで日本で行ったことがある場所、親戚や祖父母が住んでいる場所、帰国後に住む場所などを探してみます。
テレビやニュースに知らない地名が出てきたら、「ここはどこだろう?」と地図で確認する。
それだけでも、日本の形や場所が少しずつ身近になります。
地図帳はしまい込まず、リビングのテレビのそばなど、すぐ手に取れる場所に置いておくのがおすすめです。
ニュースや旅番組で地名が出たときに、その場で確認できるからです。
受験生向けの模擬授業でも、毎回、「リビングに地図を置くと地理と仲良くなれますよ」とお伝えてきました。
覚えようとしなくても、何度も地図を見ているうちに、少しずつ日本の形や場所が身近になっていきます。
これから一冊用意するなら、学校で使うような小学生向けの地図帳で十分です。
もちろん、すでに地図帳を持っているなら、新しく買う必要はありません。
まずは「気になった場所を地図で見る」。そこから始めれば十分だと思います。
以下は、現在、小学校で使用されている地図帳の一つです。
3. 基礎があれば、海外経験を地理の強みにできる
海外で育った子どもたちは、日本地理について知らないことがあっても、日本で育った子にはない経験を持っています。
外国で暮らしたこと、違う文化の中で生活したこと、日本を外から見たこと。
こうした経験は、地理を学ぶときの大きな材料になります。
地理では、場所・気候・地形・産業などを結びつけて、「なぜ」を考えていきます。
そこに日本地理の基本的な知識が加われば、海外で身につけた視点や考える力も生かしやすくなります。
帰国前の地理学習は、単に「遅れを取り戻す」ためだけのものではありません。
海外で身につけてきた力を、日本の学校で活かすための準備だと私は考えています。
4. 日本地理の基礎は、その先の学習にもつながる
日本地理の基礎は、中学校だけで終わりません。
高校では、地図や統計、気候、農業、工業、人口、都市などを関連づけて考えていきます。
都道府県や主な都市の位置関係が分かっていれば、その先の「なぜ」を考えやすくなります。
将来、大学入試で地理を選ぶことになった場合にも、その土台は役立ちます。
もちろん、帰国前に全部を覚える必要はありません。
日本地理に少し親しんでおくことが、帰国後の学びを始めやすくし、海外で得てきた経験を生かす土台にもなると思います。
本記事は、筆者の実体験と撮影写真をもとに執筆しています。読みやすさ向上のため、一部AIを補助的に活用しています。

